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【文献No】:VOLJ03518
【標題】 :ジクロフェナクナトリウムテープ剤(ボルタレンテープの経皮吸収性と組織移行性-経口剤との比較
【著者名】:宮武慎ら
【雑誌名】:医学と薬学;57(1),83-90,2007
【抄録】 :ジクロフェナクナトリウム(DF)含有テープ剤を通常使用法に従って使用して一定時間経過したときの膝関節周囲軟部組織(脂肪,筋,滑膜),関節液,および末梢血におけるDF濃度を,DF経口剤を通常使用法に従って使用して一定時間経過したときのそれらと比較した。手術時に,皮下脂肪,筋肉,滑膜組織(各1g以上),血液(5mL),および関節液(全量)を採取した。膝関節に明らかな疼痛・炎症・関節破壊を認め,手術(人工関節置換術)が予定された変形性膝関節症患者14例(男4,女10,57-88歳)を対象とした。使用した薬剤は,1枚(7×10cm)中にDFとして15mg含有するテープ剤と,1カプセル中にDFとして37.5mg含有する徐放性製剤を用いた。無作為に2群に分け,テープ剤群では手術12時間前に,清拭した膝関節の内外側皮膚表面にDFテープ剤を1枚ずつ貼付し,手術約2時間前に剥離した。経口剤群では手術約12時間前に,DF徐放性製剤を服用させた。14例において,臨床経過および臨床検査値を含めた安全性上での問題は,全試験期間を通して全くみられなかった。テープ剤群のDF濃度は,皮下脂肪13.5±11.3ng/g,筋肉9.4±8.3ng/g,滑膜5.0±3.8ng/g,血漿4.7±2.0ng/mL,関節液2.0±0.7ng/mLの順であった。皮下脂肪のDF濃度は,滑膜,血漿および関節液より有意に高値であった。筋肉のDF濃度は関節液より有意に高値であった。筋肉で2例,滑膜で1例が定量限界濃度以下の値を示した。経口剤群では,関節液16.8±12.0ng/mL,滑膜15.1±9.2㎎/g,血漿6.6±4.5ng/mL,皮下脂肪3.9±2.3ng/g,筋肉0.66±1.1ng/gの順であった。関節液のDF濃度は,皮下脂肪,筋肉,血漿と比較して有意に高値であった。滑膜のDF濃度も皮下脂肪,筋肉,血漿と比較して有意に高値であった。筋肉で6例,皮下脂肪で1例が定量限界濃度以下の値を示した。皮下脂肪,筋肉ではテープ剤群が経口剤群より有意に高値で,滑膜,関節液ではテープ剤群が経口剤群より有意に低値であった。血漿ではテープ群と経口群に有意差はなかった。以上より,DFテープ剤は消化管を介することなく,体表近くの組織に対して経口剤を上回る濃度でDFを移行させることができる剤型であることを示唆している。これはこれらの組織の炎症に対するDFテープ剤の有用性を示唆した。